登記と権利保全 ~登記漏れのリスク~

不動産を購入したり、相続したりした場合、「登記」という手続きを行う必要があります。ところが、この登記を怠ったために、大きなトラブルに巻き込まれるケースが意外と多いんです。


登記というのは、簡単に言うと、「この不動産は誰が所有しているのか」を、公的に記録する手続きなんです。これを行わないと、後々、「本当の所有者は誰なのか」という争いが生じることがあります。

実例を挙げます。新川崎駅周辺で、亡くなったご親御さんの遺産である不動産を相続した方がいました。その方は、「後で登記すればいい」と思って、放置していたんです。ところが、10年以上経った後、別の相続人から「親の遺産は自分たちで分割する権利がある」と言われ、その不動産について争いになってしまったんです。


通常、相続登記を行わないままでいると、相続人間で「その物件を誰が相続するのか」について、後々の紛争が生じやすくなるんです。特に、相続人が複数いる場合、登記されていない状態では、誰もが相続人として権利を主張することができてしまうわけです。


実は、2024年から「相続登記義務化」という新しい制度がスタートしました。これは、相続を知った日から3年以内に登記を完了させないと、10万円以下の罰金を取られる可能性があるということです。


つまり、これからは、相続が発生した場合、必ず登記を行わないと、法的にペナルティを受けることになるわけです。これは、不動産の所有者を明確にし、遺産分割紛争を防ぐための制度なんです。


次に、抵当権(ローンの担保として、銀行が不動産に設定する権利)の登記も重要です。住宅ローンを借りて不動産を購入した場合、銀行は必ず抵当権の登記を行います。この登記がないと、銀行としては、ローン返済の担保を持つことができないからです。

ただし、ローンを完済した場合、その抵当権を「抹消登記」する必要があります。これを忘れていると、後々、その不動産を売却する際に支障が出るんです。なぜなら、買い手が「この不動産には、銀行の抵当権がついているのではないか」という懸念を持つからです。


実例を挙げます。かつてのローンを完済したのに、抵当権の抹消登記をしたまま30年が経ってしまった方がいました。その後、その不動産を売却しようとした際に、「抵当権が残ったままでは売却できない」という問題が生じてしまったんです。


抵当権の抹消登記は、ローン完済後、できるだけ早く行うことをお勧めします。手続きは比較的簡単で、司法書士に依頼すれば、費用も数千円程度で済みます。


さらに、「根抵当権」という別の種類の抵当権もあります。これは、企業や事業者が頻繁にお金を借りる場合に、毎回登記するのではなく、一度だけ登記しておいて、複数回の借入れに対応するというものです。この場合、事業を廃止した後、根抵当権を抹消する手続きが必要になります。


もう一つ、重要な登記として「抵当権以外の担保」があります。例えば、「質権」や「先取特権」といった権利も、登記の対象になります。これらの権利が登記されたまま放置されていると、後々、不動産の売却や相続の際に問題になります。


さらに、「登記識別情報」という情報も、厳格に管理する必要があります。これは、不動産の登記が行われた際に、法務局から発行される情報で、いわば「不動産の所有権を証明するパスワード」のようなものです。この情報を紛失した場合、登記の手続きが複雑になることがあります。


ですから、不動産を購入したり相続したりした場合は、できるだけ早く司法書士に相談し、必要な登記手続きを完了させることをお勧めします。費用は登記の種類によって異なりますが、一般的には5万円から20万円程度です。これは、後々のトラブルを避けるための、必須の投資だと思います。


特に、今後は相続登記義務化に対応する必要がありますから、相続が発生したら、3年以内に登記を完了させるというスケジュール感を、常に念頭に置いておくことが大事です。